石堂動物病院

院長のひとりごと

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2007年 03月

2007.3.22(木)

獣医さんのお勉強って…?(その2)

昨日、3月21日(祝)は某フードメーカーが企業セミナーを開催していましたので、病院スタッフを引き連れて参加してきました(引き連れてとカッコよく書きましたが、集合時間に院長は遅刻して、ほって行かれました…)。場所は帝国ホテル大阪です。すごく素敵な洒落たホテルです。数年前に大阪で勤めていた病院の20周年(?)パーティーをこのホテルで行ないました。
で、スタッフにはひと言、
「こんな機会でもないと、めったに行けないようなホテルだよ、ホテル見学のつもりで行きゃーいいのよ」

そう言えば…、
私が獣医さん1年目の東京での修行時代に、同じような企業セミナーがありました。その時の会場が東京の椿山荘というすごい所、当時の院長が「オマエ、こんな機会がないと行けないよ、上手いもんも食べさせてくれるそうだから、行っといで」と言われた事を思い出します。そう、その当時はバブルの末期で企業も裕福だったのでしょう。講演後はすごい立食パーティーが開催され、おいしいもんをたらふく食べて帰ったことを覚えています。セミナーの内容は…、たしかワクチンの話だったと思うのですが…、若者の食欲という本能の前には、小賢しい話は吹っ飛ぶのです。

今回の大阪での企業セミナー(このセミナー参加費は無料なのです)、某企業さんは頑張りました!
講演内容は「犬の肥満に対する行動学的アプローチ」で、フランスの動物行動学の先生がお話されました。肥満に関するテーマなのでVTさん(動物病院の看護婦さん)の参加も多くなると予想されていました。そこで、会場に用意されたのは、ケーキ&フルーツバイキング(?)と各自の席にウエイターさんが来てのコーヒーサービスです。今回はこのセッティングでVTさんの気持ちを「グッ」と掴んだみたいです。遅れて会場入りした私の前で、当院のスタッフはケーキとフルーツのお皿を各自2枚キープして笑顔で講演の開始を待っていました。

しかし、おじさん獣医さんの私には、若いVTさんとケーキバイキングに並ぶのがちと恥ずかしい。お昼ごはんを食べていなかったのお腹は空いているのですが、ここはぐーっと我慢です。そして講演が始まってバイキングコーナーに人の気配がなくなってからケーキを調達してを空腹を静めたしだいです。

今回の企業セミナー、当院のスタッフにとって、美味しかったケーキの記憶だけで、講演の内容がどこかに行っていない事を祈っているのですが…、

で、このセミナーの講演に関しての私の評価は「35点」です。
でも、当院にスタッフのケーキを御馳走してもらったの文句は言いません。
当院スタッフ一同を代表して、ひと言、
「ほんとに、ごちそうさまでした」

2007.3.17(土)

獣医さんのお勉強って…?

動物病院で働いてる獣医さんがどのように勉強しているか知っていますか?獣医さんは人のお医者さんと違って、ひとりでいくつもの分野の病気を診なくてはなりません。
どれくらいあるかと言うと…、
内科で、呼吸器、循環器、消化器、泌尿器、腫瘍、神経病、繁殖系など多様です。
外科では内臓の手術がメインとなる軟部外科と骨折等を治療する整形外科に分かれます。
その他にも皮膚科、眼科、小鳥やハムスターなどを診るエキゾチック診療、新しい分野では高度医療のCTやMRIなどの画像診断学や動物の精神病などに取り組む動物行動学などあります。
それぞれの分野が、毎年進歩して、新しい発見や治療法を報告しています。獣医さんはそれらの新しい情報を得るために日々勉強しているはずなのです。もしかしたら人のお医者さんよりも勉強する時間が必要になってくるはずなのです。

じゃ、どうやって勉強しているか?
いろいろな方法があります。
大きな学会に参加する。研究会に参加する。企業主催のセミナーに参加する。各種勉強会に参加する。自分達で勉強会をする。
雑誌やDVDを購入してひとりで勉強する。
たぶん、それぞれの獣医さんは時間を作って、それぞれの方法でちゃんと勉強されているのだと思います。

私はどうしているかと言うと、学会や興味のある研究会に参加します。時にはそこで発表もしています。お昼間勉強して、夜はアルコールの力も借りて、いろいろな先生と意見交換会(?)をします。「おたく」的な話題で盛り上がり、個人的相談にものってもらえる情報交換の場となります。気のあった仲間とのビールはとても美味しものです。そして病院という日常の場所を離れる事でリフレッシュの場でもあると思っています。

と、言う事で…
私が学会/研究会等に参加して病院が臨時休診となっていて、飼主さんたちに御迷惑をかけているかもしれませんが、それは決して「ずる休み」している訳ではありません。病院の診療レベルアップのためにお勉強に出かけているのです。ですから、深いご理解と暖かい目で見守っていてください。

2007.3.2(金)

とっても無礼な飼主さんのお話

「院長のひとりごと」のコーナーの更新がなくて、スタッフ一同からブーイングが起きている今日この頃です。当院のトリマーさんのブログの更新がすばらしいので恥ずかしい限りです。
彼女をゴーストライターとして雇おうかと真剣に考えてしまいます。

今日のお話は、タイトルに書いた「とっても無礼な飼主さんのお話」です。

この飼主さんの犬は他の病院で心臓病のコントロールの治療を受けていました。また歯石の付着が激しく、重度の歯肉炎も持っていました。その病院で歯肉炎の治療も受けていたみたいですが、効果が出てないとのことで、10年ぶりに当院に来院されました。診察室に入って来て問診を行なっていると突然、
「先生、かわったね〜。おとうさんがやってるのかと思ちゃったよ〜」となれなれしく、にやにやと言ってきました。
「なにー、こいつ!」とカチンときました。
私は冷静にその人の目を見てひと言、
「あなたにそんなことを言われる筋合いはない!」
診察室に殺気(?)が漂っていたかも…

10年前は私も今よりは若く、頭の毛ももっとあったかもしれません。いろいろな苦労をしてきて老けてきているのは事実です。お腹も出てきています。近頃、老眼にもなってきた気配が濃厚です。確実にじい様に進化しています。
昔なじみの友だちに言われたのなら、まだ、笑ってい「そうなんだよ、じじになってしまってさ〜」と言えますが…
何の個人的な付き合いもない、初対面と変わらないような人にこのような無礼なことを言われるとは思ってもいませんでした。
私より年長の人が時と場所もわからないのでしょうか?
ブラックジョークのつもりでもセンスはゼロです。
不愉快な感情だけが残ります。ほんとに「ばか者」です。
看護婦さんのひとりは診察室を出ていきました。もうひとりは「ケンカになるかも」とどきどきしていたそうです。

私はこんな無礼者に対して、我慢して愛想笑いのひとつでも浮かべながら診察を行なうような獣医さんではありません。無礼者に対してははっきりと「不愉快である」と意志表示します。
当院の診察料には「無礼者に対して我慢する料金」はありませんので、

その後は、私の態度にびびったのか、この無礼者の飼主さんはふつうの態度になられました。本来ならこんな無礼者の相手はしたくないのですが、この飼主のワンちゃんには何の罪もありません。口が痛くて苦しんでいるのです。何とかしてあげねばなりません。ムカムカする感情を押えて、しっかりと診察し、病態を説明し、治療を行ないました。内服のお薬も渡しました。
今回の治療で少しでも良くなれば良いのですが…

当院のスタッフには、診療終了に、
「今日、見た、あんな無礼な大人には決してならないように!」
と、院長のひと言を伝えました。

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